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メルカリでは【現金・金券類】の出品を禁止している。しかし、なぜ禁止されているか具体的に説明できる人は少ないだろう。
今回の記事を読めば、金券類が出品禁止となった理由を理解できる筈だ。キーワードは ①クレカの現金化 ②マネーロンダリング
この記事の目次(クリックでジャンプ)
解説動画
下記の動画でも詳しく解説しています
最初は禁止されてなかった
さて実は昔メルカリは現金取引が禁止されていなかった。ギザ10を代表とした希少価値の高い貨幣・紙幣は需要があり、メルカリも当時認めていた。
だが後述する犯罪で悪用されてしまい、レア紙幣・貨幣を含めた現金取引が禁止された形。
現金・金券類を出品できない理由
じゃあどんな悪用されたのかって話だけど「クレカの現金化」「マネーロンダリング」がこれに該当する。順番に具体的に説明しよう。
クレカの現金化、その手順
まず「クレカの現金化」その手順がこちら
- 例:現金5万円を6万円で購入←???
- 現金5万円が届く
- 翌月のクレカ引き落とし日に6万円支払う
一見「誰が5万円を6万円で買うんだ?」って感じだけど理屈は借金と同じ。5万円を借りて、1ヶ月後に利子をつけて6万円で返す感覚。
もう借金できない人が借りる
今の「5万を6万で買う」は実際あった話だが、利子は20%を超えている。これは一般消費者金融より高利で、ヤミ金と同レベル。
クレカ現金化などせず
消費者金融から借りればいいのに…
と思うだろう。しかし順番が違う。消費者金融から既に借りすぎたり、審査の通らない人がクレカの現金化を行うのだ。
勿論そんな人が返済できるわけもなく、次第に自己破産前提でクレカ現金化を行うユーザーが出てきた。この行為は詐欺の一種だが、利用者が「本気で払うつもりだった」といえば否定できない、グレーゾーン扱いである。
当然、踏み倒されると損するためクレジットカード会社は怒り心頭。メルカリに出品自体なくすよう対策を求める。もちろん決済手段としてお世話になっているため、メルカリは金券類を含めて出品禁止にした。
規制基準は「明らかに現金化」と言えるか
ところで現金化は通常商品にもあり得るが、なぜ禁止されないのか。その理由は「購入目的を断定できないから」が挙げられる。
例えば高級ブランドバックや家庭用ゲーム機など、購入→売却による疑似現金化は可能であり今もいる。だがユーザー毎に見分けるのは不可能だし、視野を広げればメルカリユーザー全員に現金化目的の疑いがある。
一方、割高な現金・金券類の購入は明らかにクレカ現金化目的と断言できる。プレミア付きの貨幣でもない限り5万円の商品券を6万円で買う正当な理由が見当たらないのだ。
もちろん本当に価値の高い紙幣は存在するし、一部ユーザーはプレミア価値のある貨幣のみ解禁を求めている。だが出品者が「これはすごい金なんだ」と主張できるし毎度検査するのも手間。よって一律で禁止されているのだろう。
このほかにも、生活保護の不正受給者が悪用したり、高利なため(出品者が)出資法違反に該当するなど、様々な側面から【金券類】の出品が禁止されたのだ。
マネーロンダリング経由の可能性
そして、もう一つの規制理由に【マネーロンダリング対策】が挙げられる。 現金・金券類が、元を辿ると犯罪によって入手されたお金の可能性があるのだ。
次章から、マネーロンダリング(資金洗浄)について解説しよう。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは
犯罪で入手したお金(汚いお金)を合法的な現金に見せかける行為。 お金の流れを偽装することで、捜査機関の追跡を防ぐ狙いがある。
ちなみに汚いお金とは、ひったくりで入手した現金から、他人のクレジットカードを利用する行為も含んでいる。
具体的な事例(フリマ関係)
- 知り合いに商品を出品させ、自分で購入
- 10万円でマグカップを出品させ(汚いお金で)購入。出品者役に9万円(綺麗なお金)が入金される
- 汚いお金で商品を購入し、物品を中古ショップで売却する
- 不正入手したクレカ(汚いお金)を使いゲーム機を購入。その後、中古リサイクルショップで売却し現金化(綺麗なお金)する
- 汚いお金をメルカリで売却する
- 前述したクレカ現金化。現金に限らず、盗んだお金で購入された金券類の可能性
洗浄する意味ある?
ところで、マネーロンダリングについて調べると
いや、別に盗んだ金そのまま使えば良くない?
と素朴な疑問が出てくる。詳細は闇バイトの項目で話すが、犯罪組織としては捜査されるリスクを極限まで減らしたいのだ。
例えば他人のクレカを不正利用する場合。いずれ遠隔で使用不可になりIPアドレス経由でバレてしまう。そこで高額な商品を購入→売却することで現金化し、追跡されにくくするのだ。
もちろん元本は減るが、捕まれば終わりの組織にとって捜査されにくさこそ価値がある。 だからこそ今も形を変え、マネーロンダリングは行われるのだ。
最初の使用でバレない?←バレる
しかし更に疑問が発生する。交換後のお金は追跡しにくいとしても一番初めの取引でバレないか?メルカリの場合、取引したアカウントに紐付いた情報、荷物の配達先など、捜査に使える情報が残ってるじゃないか。
結論、想像通りバレやすい。そして犯罪組織も手を打っていて、巷で話題の「闇バイト」にやらせているのだ。
切り捨て要因「闇バイト」
闇バイトとは、犯罪に片足突っ込んでいるバイトの事。特殊詐欺の受け子(例:オレオレ詐欺の現金を受け取りに行く人)が有名。
今回のマネーロンダリングにも闇バイトが使われる。先ほどの事例は実際にあった話で、指示役が捕まったニュースも定期的に報道されている。
闇バイト=人生終了
なお言っておくが、闇バイトも犯罪に手を貸してるため罪に問われる。 自分たちで行わず高額報酬で人を集めるのは、逆説的に捕まりやすいからだ。
金銭に余裕のない若者が誘惑に負けやすいが、捕まれば有罪かつ前科持ちになり、人生ベリーハードモード確定になる。間接的とは言え、誰かの人生を狂わせる犯罪組織の一員になることを忘れてはいけない。
規制は今後も続く(Switch DL版の禁止)
露骨な現金取引はなくなったものの、換金性の高いものを出品するケースは後を絶たない。例えば2022年4月にNintendo Switchのダウンロードゲームの出品が禁止された。
手順の例としては7000円× 10本をクレカ購入し、一括売却して6万円の売上金を入手する形。スピードは落ちるが現金化可能(というか使われてた)ため、取引禁止となった。
もちろん今回もマネーロンダリングが潜んでいる。不正入手したクレカを使ってダウンロード版ソフトを購入→売却したり、あるいは上記取引が活発なのを装い、闇バイト同士で現金化(例:ソフト5本5万円)を行うといった形。
先ほど私は「購入目的が断定できない」から出品を禁止しづらいと話した。しかしダウンロード版ゲームの複数取引は以下の点で異常と判断できる
- プレミア価値がつかない
- 通常7,000円なのに1万円で販売
- 多くの人が1本で十分なのに複数販売
逆に言うと、根拠を上げられない商品での現金化は続いている。現にパッケージ版ゲームソフトは一度に2本までの出品といった形で今も確認できる。そして「兄弟にプレゼントする」等の現実的な需要を満たしてるから多分規制できない。
現金化とマネロンは密接な関係
説明してきた通り、現金化とマネーロンダリングは密接な関係にある。故にメルカリ利用者もごちゃまぜに認識しているのだろう。正直、私もそうだった。
この記事を参考に、これらの違いや関係性を理解していただければ幸いである。
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などを定期的に発信しています!
また、今回のように皆さんの素朴な疑問に、できるだけ回答する企画もあります。
以上、参考になれば幸いです。
それじゃあ、また!
参考文献
金券類の出品可否について – メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/1095/
Nintendo Switch向けダウンロード版ソフトについて | メルカリびより【公式サイト】
https://jp-news.mercari.com/articles/2022/04/26/notice-about-listing-1/