〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる広告収益を得ています。
とある方からフリマアプリに関する相談・体験談のお便りを頂きました。普段は動画にて回答するのですが、試験的にブログ記事も併せて更新していきます。動画版はお待ちください。
ちなみにこのような相談・報告は大歓迎ですので、ブログや動画にて採用されても大丈夫でしたら、いつでも下記お便りフォームから投稿してくださいませ。匿名でもOKです。有り難いことに沢山の相談をいただくので回答に時間がかかる事もあります。どうかご承知おきください。
相談
初めて相談を投稿させていただきます。
以前メルカリにてとあるビジネスを購入したのですが、評価をして初めて気がついたのですが、その本は切断されており、まともに読むことができませんでした。
びっくりして商品情報を確認したのですが、目立った傷や汚れなしとなっていてさらに驚きました。切断された本を目立った傷や汚れなしとするのは理解に苦しみます。
商品説明には「自炊のため裁断してあります」と書かれていて、調べたら自炊とは、紙の本を電子書籍にすることだと後でわかりました。
確かに文章をしっかり読んだ上で購入するべきだったのですが、商品画像は本の表紙・裏表紙だけで切断されているのであれば、1枚1枚分かれている状況を載せてほしかったです。そして商品状態が「目立った傷や汚れなし」であるにも納得がいきません。紙の本なら切断されていないと考えるのが常識ではないでしょうか。それなら状態を最低に設定すべきだと思います。
回答
まず今回の件について、不可解だと思いつつも説明文をよく読んでいなかった自分を反省しているのは素晴らしい姿勢だと思います。その上で何がおかしいと思ったのか、具体的に整理されているのも良いですね。
- 商品画像が表紙・裏表紙だけ
- 商品の状態「目立った傷や汚れなし」
これらの情報だけで、切断された本を想定するのは難しいでしょう。説明文の中に「自炊のため裁断してあります」と書かれていても、“自炊”という言葉を初めて聞いた方ならピンと来なくて当然です。
一般的に「本」と言われれば、ページがつながって読める状態を思い浮かべるでしょう。相談者さん以外でも、誤って購入してしまう可能性が充分あったと思います。
メルカリに存在する特殊な状態設定
ただ一方で、メルカリには特定の層にしか通じないジャンル独自の常識が存在します。今回の「裁断本」もそのひとつです。
説明するために、紙の本を電子化する流れを紹介しておきます。裁断された本を電子化するには、ページ1枚1枚をスキャンしてPDF形式、つまり画像のように保存します。そのため、裁断本における状態評価のポイントは
- ページがスキャンに耐えられるか
- スキャンして読書に問題あるか
です。シミや汚れ、折れなどがなければ、たとえ本が切断されていても「実用上問題なし」と判断されるわけです。私も自炊経験があるのですが、汚れによってはスキャンすると文字が潰れてしまったり、紙質次第ではスキャナーに入れるとグチャグチャになったりするのです。
つまり、この評価は「ページ自体は綺麗ですよ」「スキャンも問題なくできますよ」という意味合いを含んでいて、普通の人がイメージする状態とは少し視点が違うのです。
他にもある特殊ジャンル
このような独特の状態判断、実は他のジャンルにもあります。代表的なのがジャンク品。壊れたパソコンや家電に使われる用語です。
壊れたり 古くなったり して役に立たないもの。がらくた。特に、コンピューターなどの機械部品の廃品。(新明解国語辞典国語辞典より)
故障しているため正常に使えないのですが「修理できる人向け」に需要があります。そのため外観が綺麗であれば「目立った傷や汚れなし」とされることも少なくありません。
ただ、こうしたジャンル特有の前提を知らずに購入した人からすれば「壊れてるのに目立った傷や汚れなしってどういうこと?」となるのも無理ありません。今回の「裁断済み本」も似た構造ですね。
出品者に求められる「知らない人への配慮」
ここまで見てきたように、裁断本やジャンク品のような特殊ケースでは、それぞれ独自の基準や常識が存在します。しかし、それを知らない人が多いという前提を忘れてはいけません。
出品者の中には、同じジャンルに慣れた購入者を想定して出品している人も多いのですが、メルカリは誰でも閲覧できる場所。だからこそ「このジャンルを知らない人が見ても誤解しないか?」という視点が欠かせません。
例えばジャンク品を扱う人なら、以下の工夫を欠かさないようにしています。
- タイトルに【ジャンク】や【故障品】と明記
- 画像に文字を入れて「通電不可」「※故障してます」といった情報を目立たせる
- 状態を「全体的に状態が悪い」に設定
- 説明文の冒頭、末尾にて注意喚起
今回の裁断本についても同様です。このジャンルを理解していない購入者が多いからこそ、タイトルや画像、説明文で明確に伝えることが重要になります。
- タイトルに【裁断済み】と入れる
- 商品画像の1枚目に“裁断済み”と文字を入れる
- ページが分かれている様子を写した画像を掲載する
- 状態を「全体的に状態が悪い」に設定
- 説明文でも「この商品は裁断済みです」と注意を促す
といった工夫があれば、ほとんどの誤解は防げます。より用心深い方であれば、取引開始と同時にメッセージにて確認を行っているでしょう。
相手のため、何より自分のために予防する
今回のケースは、商品説明に「自炊のため裁断してあります」と書かれていたものの、画像は表紙と裏表紙だけでした。これでは裁断されていることが視覚的にわからない構成となってしまいます。
もちろん説明文に切断したと書いてあるのだから、読まずに購入した方が悪いと言い切ることも出来ます。しかし伝えたつもりでも、相手に伝わっていなければ意味がありません。ここがトラブルに繋がるポイントです。
そして何より、こういった誤解によるトラブルで困るのは、最終的には出品者自身なのです。購入者が不満を持てば、返品要求をされたり、低評価がついたり、事務局に通報されるリスクもあります。私も何度もトラブルを経験していますが、解決するまで面倒ですし、解決してもモヤモヤが晴れません。遭遇しないのが一番。
相手だけじゃなく、自分のためにも予防線を張ることが大事なのです。今回であれば「全体的に状態が悪い」に設定しておくだけでも印象は変わったかもしれません。加えて説明文や画像で【裁断済み】を丁寧に補足していれば「知らなかった」「騙された」と感じる人はほとんどいなかったでしょう。
購入者も「確認する姿勢」が大切
ここまで出品者側の配慮について触れてきましたが、ご自身で書かれているように、相談者さんにも改善できた部分があります。それこそ「自炊」という言葉の意味がわからなかったとしても、裁断していると書かれていれば「何か通常の本とは違う状態なのでは?」と疑う余地があったはずです。
しかし、多くの人がフリマアプリでは「まぁ大丈夫だろう」と思って購入してしまいがちです。今回の相談者さんも、そうした思い込みがあったのかもしれません。
今後フリマアプリで商品を購入するとき、疑わしいことがあれば確認しましょう。「自炊」「ジャンク」など、わからない用語はその場で検索してみるのも大切です。コメントで質問して、出品者の反応を見てから判断するのも一つの方法です。出品者が誠実であれば答えてくれるでしょうし、逆に返答が曖昧な場合は、購入を見送る判断材料にもなります。
意味がわからないまま取引を進めると「こんなつもりじゃなかった」と感じる原因になります。だからこそ、購入前に確認すると言う基本を徹底することが、トラブルを防ぐ一番の方法になります。

以上。今回の話は、どちらか一方が完全に悪いという話ではないと思います。
- 出品者は「説明文に書いてあるから」で済ませず、誤解を招かないような表現を意識する
- 購入者も「多分大丈夫だろう」で済ませず、少しでも不安があれば確認する
ちょっとした意識の違いが、トラブルを防ぐ大きな分かれ道になります。「画面の向こうには人がいる」という前提を忘れず、丁寧なやりとりを一緒に心がけていきましょう。
YouTubeチャンネルもあります

チャンネルでは、一般フリマユーザー向けに
- イライラしない考え方
- ちょっと売れやすくなるコツ
- 知っておくと便利な情報
などを定期的に発信しています!
また、今回のように皆さんの素朴な疑問に、できるだけ回答する企画もあります。
以上、参考になれば幸いです。
それじゃあ、また!

