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メルカリでバーコード出品をすると「相場価格」が表示される。しかし提示された価格が現実相場と離れている、との報告をよく受ける。
そこで本記事では、相場価格が本当に信用できるのかを検証していく。ただ先に言っておくと、夏休みの自由研究レベルになってしまいました。でも参考になる事は保証します。
記事中で使う「相場価格」と「売れやすい価格」は、共にバーコード出品を利用した際の価格を表します。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
結論
相場価格は、あまり信用に値しないといえる。特にレア商品となると、集計母数が少ないこと、相場を知らずに売買する人によって、データの正確性を保てない…と判断した。
解説動画
下記の動画でも詳しく解説しています
AIの算出に関するデータ
以前公開された情報では、5つの要素をもとに最適価格を提示しているらしい。
- 商品の名前
- カテゴリー
- ブランド
- 商品の状態
- 出品時の日付
これに加えて、1年間のデータを元に計算するらしい。
現時点で厳密な調査が不可能だと察して頂ける筈だが、推測はできる。とりあえず自由研究の方法等を書いておく。
調査開始
調査時期:2022/06/29
調査対象:メルカリ内で『「幸せをお金で買う」5つの授業』と検索し、売り切れ済みとなっている全ての商品
留意事項:販売後、商品ページが削除された物は考慮しない。また、バラ売り商品に紛れたものは除外して集計を行う。
今回使うサンプル(商品)
自力でサンプル全てを調査できる丁度いい商品が『「幸せをお金で買う」5つの授業 ―HAPPY MONEY』だ。中古書籍は6〜7000円で取引されるプレミア本である。
メルカリで取引された数が26回と少ないので、データを集めやすい。この取引を元に考察をしていく。
ちなみにkindle版は1600円
お勧めできる1冊
バーコード出品価格
こちらの本をバーコードで読み取った結果、相場価格は【1690〜2910円】となった。果たしてこの数字は正しいのだろうか…?
ざっくり相場把握
確認した限り、26点の商品平均は3000円を超えている。中には7500円超で取引されたケースもあり、前述した相場価格に従えば大損するだろう。
売れた商品価格を集計した結果、以下の内容が得られた。
- サンプル数:26
- 平均価格:4,665円
- 中央値:5,000円
何が言いたいって、相場価格が全く参考になっていない事だ。まぁAIは5つの要素を元に計算してるらしいけど、本に季節とかあるのか…?
補足しておくが、この本は2022/06/25に4980円で取引されている。相場が下がってる可能性はあっても【1690〜2910円】にはならない。
データ分析
結論、売れやすい価格になる計算方法は分からなかった。ただ色々と試したので、その過程を紹介して供養したい。
26件だから全て抽出してるでしょ?と思っていたが、古いデータは使ってない可能性がある。そこで直近5ヶ月までのデータを計算してみたが、平均価格は4075。中央値は3990。どっちみち相場価格とは異なる。
本当は1年間の取引に絞り込みたいのだが、メルカリは6ヶ月以上経過すると「半年以上前」になってしまうので、詳しく調査できない。
Web版で拡張機能を使えば出品時期を判別できるらしい。ただ非公式だし、仕様が分からないので利用しない。知ってるけど使いたくないってのは補足しておく。
商品状態で価格は変化する
ちなみに相場価格について、これは商品状態によって変わる。当然といえば当然なのだが、実は面白い現象が確認できた。
売れてなくても価格表示される
「売れやすい価格」は実際の売買がなくても表示される。現に新品&状態が悪いは取引履歴こそないものの、相場価格が表示されているのだ。
また興味深いことに、取引のない「新品」の相場価格は「未使用に近い」の価格より安くなっているのだ。高級腕時計の世界だと有り得る話だが、何かもう信用できなくなってきた…まぁ取引後に出品削除されたと考えれば別だけど。
ちなみに、バーコードで読み取った金額は【目立った傷や汚れなし】の価格帯と一致している。メルカリ取引で頻繁に使われるステータス…かもしれません。
勝手な妄想
完全に私の妄想だが、データと相場がかけ離れている理由を幾つか考察してみる。
1:相場が下方修正されてる?
定価からかけ離れた算出結果となった場合、下方修正されるのではないか?例えばこの本は定価が1600円と設定されているが、相場は2倍以上となっている。
一般的に中古本の価格が、定価を超えることは少ないだろう。そこで定価を大きく超えた商品は集計対象から外している…かもしれない。
ちなみに3200円以上を除外した平均価格は【1610円】であった。AI相場価格の最低値に近いとはいえ、まぁ関係ないかな?
2:別の書籍も含めて算出されている
今回の本とは別に、幸せをお金で買う〜みたいな名前の本は沢山ある。それらのデータも纏めて計算してしまったのでは無いか?取引数が少ない商品であれば、補うためにサンプルを増やすことも…あるかもしれない。
AIの計算方法は分からないが、取引数が多ければ正確な相場価格になったのだと思う。
最後に:それでも有用だと思う
出品数の少なさが乖離現象の要因だと思われるので、大抵の商品は信頼できるだろう。もし仮に出品数が多ければ、それだけ取引サンプルも入手できる。すると相場価格も現実に近づくだろう。
一方、いわゆるプレミア商品の場合。AIに従って出品すれば大きく損をしてしまいかねない。現に私は過去、カービィのアニメOPのCDを1500円で売ってしまった。あれは現在1万円以上の価格で取引されている。マジで損した。
とはいえ、一度でも同じ商品の価格帯を目で見れば防げることだろう。今回の本も露骨に6〜7000円で取引されてるので、売れやすい価格がおかしいと察する筈だ。
この記事を読んだ人に、面倒でも検索結果をざっくり眺める重要性が伝われば嬉しい。
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- イライラしない考え方
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などを定期的に発信しています!
また、今回のように皆さんの素朴な疑問に、できるだけ回答する企画もあります。
以上、参考になれば幸いです。
それじゃあ、また!
参考文献
AIが値付け支援 個人売買、0.1秒で「最適価格」:日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00109/00055/