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【使うな】メルカリで『3N』が禁止されている理由と代替案

とある方からフリマアプリに関する相談・体験談のお便りを頂きました。普段は動画にて回答するのですが、試験的にブログ記事も併せて更新していきます。動画版はお待ちください。

ちなみにこのような相談・報告は大歓迎ですので、ブログや動画にて採用されても大丈夫でしたら、いつでも下記お便りフォームから投稿してくださいませ。匿名でもOKです。有り難いことに沢山の相談をいただくので回答に時間がかかる事もあります。どうかご承知おきください。

質問

初めまして メルカリ出品で3Nは掲載かのうでしょうか?


シンプルながら同じ悩みを抱える人の多い相談ですね。一言「ダメです」で終わることもできますが、折角なので何故禁止されているのかも独断と偏見をもって解説しましょう。

ちなみに相談者さんの 3N とは【ノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセル】の頭文字です。それぞれ文句を言わない・返品しない・取引キャンセルしない、といった意味です。推測ですが、ネットオークション黎明期に登場した言葉かと思われます。素人が保管していたモノを中古で買うにも関わらず、新品同様の品質を求めるユーザーがいたのでしょう。出品者としては場を弁えろと言いたい気持ちもわかります。

回答

そんな「3N」はガイドライン上で禁止行為として明記されているため記載不可能です。ただし数多の出品ページで記載されているため誤解されることが多いです。しかし個人的には書いたところで無駄だと思っているので、別の表現をお勧めします。

禁止行為:問題あっても返品に応じない

まず前提から。メルカリのヘルプセンターに以下の記述があります

記載箇所、投稿箇所にかかわらず、商品に問題があっても返品に応じないという記載をすることを禁止します。

具体的には

  • 返品不可
  • ノークレーム (NC)
  • ノーリターン (NR)
  • ノーキャンセル (NC)
  • 3N (略語)

勿論この他にも「商品に問題があっても返品に応じないことを記載しているもの」は違反行為になります。

なぜ【3N】が禁止行為なのか?

結論から言うと購入者に安心してメルカリを使ってもらうために禁止しています。そもそも上記を許可してしまうと様々な問題に繋がります。例えば

壊れたモノを新品として出品・発送→クレームに「3Nと言いましたよね」

これが罷り通る訳です。無茶苦茶ですよね。

言うまでもなく、こういった表現を使う99%は良識的なユーザーです。中古市場を使う上で持っておくべき暗黙知を伝えたい意図はわかります。しかし野放しにしていると他の購入者が安心できないのです。

これ【3N】って書いてあるから実際傷だらけかもしれない。どうしようかなぁ…

そう解釈されれば、メルカリ市場での購入を控えてしまうでしょう。ましてや公式的に禁止されてなかったら確実に逃げます。

中古市場は購入者がいてこそ成り立つのですから、メルカリ運営としては購入者が安心できる環境を徹底します。だからこそ明確に違反行為とすることで

  • 3Nに効果はないので重大な欠陥があれば運営がサポートします
  • 出品者は責任ある対応してください

この2点を約束しているのです。

不公平な対応を減らす

加えて、返品不可を野放しにすると不公平な対応をすると勘違いされ、サービスへの不信感が強くなります。たとえば以下のケース

  • 事例1:返品不可と書かれていたが、事務局にサポートを要請・返金を受けられた
  • 事例2:返品不可と書かれていたが、ガイドラインで禁止されていないため泣き寝入りした

もしも事例2の購入者が後日きゃたぬきの記事を読めば、自分が損したことに気付き、そして禁止行為を放置するメルカリに憤りを感じるでしょう。SNSで拡散・炎上に繋がるかもしれません。

だからこそ事務局は「禁止されている行為」に明記することで、そもそも出品者が記載することを認めていないし、万が一にも購入者が損した時に矛先が向かないよう予防しているわけです。


要するに、安心して取引できるよう常にサポートします、とすべての購入者に安心感を与えるための禁止措置だと思われます。出品者が避けたい要求過剰な購入者なんてごく僅かです。彼らを避けたいがために大勢のまともなユーザーが不安になったら本末転倒なのです。

現実は沢山存在する。なぜ?

しかし実際メルカリで検索すると「返品不可」といった記述が横行しています。よく見かけるのは

すり替え防止のため、返品不可でお願いします

贋作・偽物に限らず、自分の持っている状態の悪いモノと入れ替えることへの対策として様々な商品に使われています。以前すり替え事件が話題になったことで怯えるユーザーが増加したから…かもしれません。

また記載したところで実害が(直ちに)発生しないのも原因です。以前までは対象ワードを使って出品すると警告ポップアップが表示されたのですが、現時点では確認できませんでした。また出品後暫くすると削除されることもあるみたいですが、必ずそうなる訳じゃありません。

勿論ガイドラインでは明確に禁止されているので、トラブル発生時に効力はありません。それでも皆んな使っているから…の心理で自分も使い始めてしまうのでしょう。実は相談者さんに限らず、類似質問はかなり多いのです。表示されるのだから問題ないと誤認しても仕方ありません。

それでも使うべきじゃない理由

それでも返品不可に準ずる記述はしないでください。何故なら現在メルカリが実施している「全額補償サポート」の対象から外れてしまうからです。詳しいプログラムの解説は動画をご覧ください

重要部分のみ説明しますと、禁止行為が確認された場合は事務局によるサポートを受けることができなくなります。これには3N・返品不可といった記述も含まれますので、よりによってアクシデント発生時に実害となるのです。以下が全額補償サポートを受けるために守るべき「出品者ガイドライン」からの引用です

出品者ガイドラインに違反している場合や、禁止されている行為が確認された場合、全額補償サポートの対象外となります。

「書いてあるだけで実際は補償されるんじゃないの?」と楽観視する人もいますが、経験上かなり怪しいです。私自身もトラブルを経験したり、これまで何人もの揉め事の顛末を聞いてきましたが、年々メルカリのサポート内容は厳格になっています。まぁ今まで大雑把だし大盤振る舞いすぎたのもありますけれども…対象外のユーザーを断る権利は持っていますからね。外れないに越したことありません。

そして繰り返しになりますが、購入者はこの記述に不安を覚えるかもしれません。配送事故により壊れて届いても対応してくれない気がします。なるべく確率を上げたいのなら使わない方がいいでしょう。

つまり、現在のメルカリ補償プログラムの対象から外れてしまうし、売れにくさにも繋がるため使うべき理由が見当たらない。私はそう主張しています。

ただ、それでも何かしら注意書きをしておきたい方はいらっしゃるでしょう。売れやすさを少し削ってでも騒動を起こしたくない心境はわかります。その場合、次章で紹介する代替案を検討してみてください。

返品不可などに変わる注意書き

最後になりますが、3Nなど禁止行為に該当しないが一定の効果が見込める(と私が思う)注意書きを幾つか紹介します。「素人が保管したものを中古市場で買うのだから多少は大目に見てください」と伝えたい訳ですから、以下の表現が使えます。

●神経質な方はご遠慮ください

神経質な人ほど引っかかるという完成された注意書き。詳しい解説は別記事参照

メルカリで「神経質な方はご遠慮ください」と書く目的を解説します 【メルカリ】「神経質な方は〜」これ失礼じゃない?←それが狙いです
●トラブル防止のため、梱包・発送までの過程を撮影しております

配送事故時の早期解決のためでもあり、すり替え予防としても効果あり。

●素人検品のため見落としがある場合がございます
●中古品にご理解いただける方のみご購入ください

中古市場での振る舞いをやんわり意識させる狙い


どれも「支障があっても対応しません」という姿勢を見せていないため、規約上問題ないはずです。この中では「神経質な〜」が頭抜けて強力だと思っています。

ご承知の通り「神経質な〜」を使えば神経質なユーザーは購入しなくなるでしょう。検品の手を抜いたと思われて売れなくなることもあります。それでも行き過ぎた期待をする購入者との遭遇確率は下げられます。天秤にかけて、どちらを優先するか一考してみてください。


UnsplashZoha Goharが撮影した写真

以上、返品不可などの表現が禁止されている理由から、それに変わる注意書きまで解説しました。本記事が皆さんのフリマアプリ生活に役立てば幸いです。

YouTubeチャンネルもあります

チャンネルでは、一般フリマユーザー向けに

  1. イライラしない考え方
  2. ちょっと売れやすくなるコツ
  3. 知っておくと便利な情報

などを定期的に発信しています!

また、今回のように皆さんの素朴な疑問に、できるだけ回答する企画もあります。

◆きゃたぬきのYouTubeチャンネルはこちら!

以上、参考になれば幸いです。

それじゃあ、また!

参考文献

商品に問題があっても返品に応じないという記載をすること(禁止されている行為) – メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/904/

全額補償サポートプログラム – メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/2013/

出品者ガイドライン – メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/2015/